◆◇◆妊娠と出産◆◇◆


※※※ 『はじめに』をご覧になった上でお読み下さい。※※※


それでは 妊娠や出産について調べてみましょう

O着床〜
妊娠していれば 交配から約63日間で子犬が産まれます。
交配した日から最低3週間は着床の為、安静が必要です。お散歩も軽めが良いようです。
3週目頃 ツワリの様な症状の出るワンちゃんもいます。食べた物を戻したり、食欲不振に
なってしまったり・・・。大抵は数日で食欲も戻るので心配はいりませんが、大事な時期なので
消化に良いものを与えるなどの工夫(フードをふやかす等)をしてあげます。そして 胎児が
大きくなりすぎても難産になりますので妊娠しているからといって、与えすぎには気をつけます。
交配から45日位までは今までどおりのフードの量で十分です。
3週間を過ぎたら、歩行等の運動をしてあげて下さい。筋肉を付ける事で難産を避けます。
超小型犬の子犬はとても小さいので50日位でやっとレントゲンに写るようになります。
何匹いるか?逆子はいるか?胎盤を通るか?大切な事が解るので獣医師の指示を理解出来る
までよく聞いて下さい。小型犬の場合、早産になる恐れもあるので十分に注意が必要です。
チョットした変化もみつけてあげて下さい。

階段の上り下り、お腹を抱えての抱っこは避けて下さい。流産の危険があります。
ガリガリと掘る姿が見られたら ダンボール等で産箱を作ってあげて下さい。大きさは

親犬が2匹横に寝っころがれる位にします。お腹が大きくなってくると、胃が圧迫されるので 
一度に沢山食べられなくなります。状態に合わせて食事の回数を3〜4回に増やして与えます。

P出産
予定がズレる事も多々ありますので、出産予定日の3日前からはとくに気にしてあげて下さい。
出産前に必ず獣医師の元で自然分娩が可能なのかどうかを話し合って下さい。
出産目前になると体温が1〜1.5℃下がります。体温がさがったら24時間以内に陣痛が来ます。
軟便が出て、しばらくウンチをする体勢でイキみます。(寝転んだ体勢でイキム子もいるようです)
3時間〜(固体によりかなり差があります)で子犬が産まれます。第2子からは
30分〜1時間間隔で産まれて来ます。子犬の数と同じだけの胎盤の数が出なければ
いけません。胎盤がお腹に残ってしまったら、出産が無事に終わったにも関らず お腹を切って
取り出さなければならない可能性があります。ママワンコが食べてしまう事もあるのできちんと
チェックして下さい。

頭・足が見えているのに引っ掛かってそれ以上出てこない・・・。引っ張る事も出来ない・・・
子犬が出易くする為に、イキミに合わせて円を書くように指先を入れます。 引っ張る時も 
イキミに合わせてタイミング良く手伝ってあげて下さい。自分で手伝う事が出来ないのなら、
直ちに獣医に連絡をして下さい。※手伝ってあげなければ引っ掛かってている子は死んで
しまうと思って下さい(胎盤剥離なら 息の出来ない状態なのです)。

羊膜をやぶってあげて、産声が聞こえたら安心です。臍の緒の処理をしてあげて、体重を
量ってあげます。ママワンコに母性が目覚めているなら、任せて大丈夫です。
産声が出ない・・
@口や鼻に入っている異物をキレイに取り除き タオルで擦ったりして刺激を与えます。
A咽喉に異物が詰まっているかもしれません。両手で子犬を包み込み大きく振って
下さい。自分自身で子犬の鼻を吸って 異物を除く方法もあります。
Bかなり激しい刺激(ショック)を与えます。
例)熱いお湯にいれる→水に入れる→熱いお湯に入れる を繰り返す。
かなりせっぱ詰まった状態の時の方法です。 産声が聞こえたらドライヤーでしっかり
乾かして、暖かくしてあげます。

イキミ初めてから全然産まれる気配がない・・・。陣痛を我慢している。羊膜(緑色の
ヌルヌル)だけが先に出てきてしまった。イキム体力が低下している。 などの場合は
母・子共に危険ですので直ちに獣医に連絡をして下さい。

帝王切開をしなくても産めたかも・・・。 帝王切開を拒んだ為に愛犬が死んでしまった。 
獣医が自然でいけると言ったのにダメだった・・・。  色々な例があります。
最後の決断はオーナーがだすのです。後悔のないようにきちんと知識を頭に入れて下さい。

Q帝王切開
小型犬の中でもチワワは帝王切開になる確立の高い犬種です。 ワンコの出産を望んで
いる方の中でも帝王切開(メスを使う手術)に抵抗のある方もいると思います。

あるHPサイトの掲示板で『愛犬の体に傷を付けてまで子犬を産ませたいのか!?』と
いうコメントを見た事があります。正直 心苦しかったです。。。小さいワンコでも出産に
望みたいと 書き込みをした方の気持ちも解るし、体に傷を付けたいのか!?とコメントした方
の言い分も解らなくないのです。しかし交配をする以上何があってもおかしく無いという事です。

Pで記載した様に緊急での帝王切開の他に、計画的に帝王切開をする場合があります。
犬種ではブルドッグはほぼ100%が帝王切開での出産とされています。他犬種でも頭が大きく
鼻の短い犬種は自然分娩は危険です(フレンチブルドッグ・狸顔のポメラニアンなど)。
帝王切開のやり方、切り方も病院によって様々です。重要になってくるのが麻酔のかけ方です。
麻酔アレルギーのある子は手術出来ません。

全身麻酔
一般的なものです。ママワンコを完全に寝かして お腹を切り 子犬を取り出します。 
この時、子犬は仮死状態で産まれてくるので マッサージをしたり振ってみたり、とにかく
刺激を与えて子犬を目覚めさせます。 仮死状態の為、そのまま息をする事もなく
亡くなってしまう事もあります。 ママワンコもしばらくは目を覚ましません。
局部麻酔
局部のみに麻酔をかけます。上半身は動くので目をキョロキョロと、何をしてるの?という
表情で手術を受けます。麻酔の量が少ないので子犬はあまり麻酔が効いていないので
比較的早めに息をするようです。デメリットとしては上半身が動くので手術中に暴れてしまうと
大変な事になります。局部麻酔の帝王切開はママワンコの回復も早く、体力もあまり
消耗しないようです。 技術的な面で(難しい)あまりこの方法を行なう獣医は少ないようです。
局部+全身麻酔
局部麻酔をして更にボーっとなる程度に全身麻酔をかけます。2回かけますが上記の
局部麻酔に近い感じです。上半身が動いてしまうのを防ぐ為です。2回麻酔を打つ訳なので
若干費用がかさむかもしれません(動物病院によります)。比較的安全に手術を行う事が
出来るようです。

帝王切開での出産の場合、メリットとしてママワンコの体力不足をカバー出来ますし 
回復が早いという事があげられます。ブリーダーさんや、獣医さんによっては帝王切開の
方が安全 と言う方も多くいます。 デメリットでは、育児拒否があげられます。
やはり傷が痛むのか術後3日位は拒否をする子が多いようです。拒否をしても無理やり

オッパイを吸わせると段々と母性が目覚めてくるようです。
R育児拒否
自然分娩の場合でも、帝王切開での出産でも なんらかの理由で育児拒否をするママワンコ
がいます。傷が痛くてそれどころじゃなかったり、子犬が何だか解らなかったり子犬の
事が怖かったり、あるいは何らかの事故でママワンコちゃんが亡くなってしまった場合・・・。

その場合、授乳を誰かが代わってあげなければなりません。…誰か・・・当然交配を決めた
オーナーさんです。どんなに大変な事か・・・。時間に余裕のない人には出来ない事です。  
育児拒否の場合でも ママチワワの初乳を飲ませる事はとても大切な事です。抑え付けてでも
初乳を飲ませ下さい。初乳には色々な病気から体を守る為の免疫が十分に含まれているのです。
免疫力のない子(初乳を飲めなかった子)は悲しい事に死んでしまう事が多いのです。

さて 育児拒否の場合のミルクやりですが、小型犬用の哺乳瓶とドッグミルクを購入して下さい。
およそ100g〜200g足らずの子犬が口にする訳ですから、吸い口は出来るだけ小さい
物が良いです。ママワンコの乳首を参考にして下さい。ミルクは朝晩関係なく約2時間置きに
与えます。数日間はオーナーの責任を持って仮眠のみで頑張って下さい。その間、
ママワンコに子犬の匂いを嗅がせたり近づけたりする事を忘れないでおこなって下さい。
普通は1日〜1週間もすれば段々と母性が芽生えてくる様です。 

ママワンコのおっぱいからミルクが出ない時は おっぱいをマッサージして刺激を与えて
あげると出易くなります。また、ミルクの出が悪かったり頭数が多くて皆に行き渡らない時は、
小さい子や 体重が増えない子から順にママワンコのミルクを与えて下さい。

ママワンコが育児拒否をしたからと、オーナーさんはパニックにならず ママワンコを1番に
可愛がって子犬の匂いの付いたタオルを嗅がせたり、直接ゆっくりと近づけたり徐々に
慣らしていってあげる事を心がけます。オッパイを吸わせる事が出来れば安心です。
ママワンコを1番に可愛がる・・・・・!!!(甘やかす事とは違う)という事を忘れないで下さい。

S奇形児
一般家庭での繁殖の場合、自分のワンちゃんの先祖がどのような子だったのかが
解らない事がほとんどです。やはりブリーダーさんの所で産まれる子よりは先天的に
奇形を持った子が産まれる事が多くなると思います。もちろん”多く”と、いっても頻繁に
産まれる訳ではないのですが。 しかし、遺伝的奇形の兄弟がいるなど 明らかにその
要素のあるワンちゃんはその遺伝がでやすくなります。

ひとくちに奇形児と言っても、症状はさまざまです。場合によっては 安楽死・・・・という選択を
せまられる事もあるようです。(きっと助けたい一身で看護するでしょうが 一命を取り留めた時
10年以上その看護が続くかもしれないのです) 私は産まれつき両足の無いワンコを見た事が
あります。 そのワンコは 異なった純血種同士の間に出来たMIXで、オーナーさんのお宅で
産まれたそうです・・・。沢山のワンコ達が力いっぱい遊ぶ中、その子だけが ジーっと皆の事を
眺めていたのが印象的でした。排泄が上手く出来ない様で オムツをしていました。きっと、
オーナーさんが必死に育てて成犬になれたのだと思います。自分自身のエゴで産まれて来た
この子を助けたい一身で。。。

例えば 足の指の無い子、尻尾の無い子。この程度でしたら、他の子犬と 対して変わら
ずに育っていきますし、バランスが悪いくらいでペットとして暮らすのなら支障はないでしょう。
肛門の無い子・・・。排便が出来ず、残念ながら数日で亡くなってしまいます・・・・。
上あごと鼻の間に壁の無い子。症状としては ミルクを飲んでも鼻から出てきてしまいます。
栄養が取れずに死んでしまう事がほとんどです。ノドの奥に注射機やチューブでミルクを流しこみ
育てる方法もありますが難しい事です。巧くいっても 有る程度育ったら手術を行う事になります。

奇形とは 外面だけでなく 心臓や肝臓など素人では気づけない事も沢山あるのです。
奇形のある子が産まれない要に しっかりと勉強が必要です。子犬に少しでもオカシイ・・?
と 疑問に思うことがあれば ブリーダーさんの様な経験者にお話を伺うと良いと思います。
遺伝的な奇形が出た場合、今後この子はもちろんの事、産んだ親での繁殖は避けるべきです。
しかし、実際に遺伝的なものなのか調べる事が難しいのも現状です。繁殖素人者のエゴで産まれて
きた子なのですから、その気持ちを忘れずにしっかり育てる努力をして欲しいです。弱い子は面倒も
みないで、気に入った子だけ手元に残す・・・。そんな悲しい事はしないで欲しいと思います。
プロのブリーダーの方なら 沙汰 という辛い選択をする事と思います。プロならばスタンダードの
向上の意識が高くあるでしょうし、今後 何世代にも渡る繁殖において その場の『可哀相』と
思う感情だけでは話では終われないのです。遺伝的奇形を持った子での 繁殖が危険である事を
十分に認識しているからこそ 沙汰の選択もあるのだと思います。それが正しいのかは解りません

がそんな事実がある事も知っておくと支えになるかもしれません。  
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 人間の意思でした愛犬の出産です 

 命を落とすこともあるので、しっかりと最後まで責任を持って接しましょう